2002/09/09更新
BEFORE AFTER
みなさんの学校にはボコボコの作業台ありませんか? 私が赴任した当時、木工室と金工室の作業台ともに悲惨な状態でした。こうした作業台には、か んなけずりなどでストッパーになるように2cm×2cm程度の角材が計8カ所出せるようになっているはずなのですが、その穴の周囲が故意に削られたらしく 鉢状に穴が大きくなってしまって全く機能していませんでした。最初に木工の授業をした時に、段になっているところに木材を押し当てたら、8カ所とも角材が 入っていないので、全く固定できずあきれてしまいました。
それだけではありません、授業でプリントをわたしてメモをとらせるのですが、ふつうにメモをとろうとしただけで筆圧でプリントに穴があいて使い物になりませんでした。(詳しく写真にとっておけばよかったのですね。すいません。)
そこで最初に、この手持ちの電動カンナを使って削ってみました。削ってみてわかりました。作業台の上は釘だらけだったのです。目で見える釘はくぎ しめを使って深く打ち込んでおくのですが、削ってみてはじめてわかる釘がとても多く、いくら替え刃式とはいえ、刃はすぐに欠けてしまいます。さらに、 1mmぐらいづつ削っていっても、穴が1cmほどの深さがあるものがたくさんあって、これを直すには机の大半をかんなくずにしてしまうことになります。
自動カンナ盤で一気にやろうとも思ったのですが、まず無理です。すぐに刃こぼれして自動カンナ盤が使えなくなってしまいます。
カンナけずりなどに使うストッパーは、仕方がないのであきらめてパテで完全に埋めてしまうことにしました。削れないなら埋めてしまおうという考え です。この一缶で約1000円するのですが、これを作業台1つに2缶程度使うことになります。ハケでのばして放置しておけば、次の日までには固まります。
固まったところで、手持ちのベルトサンダーで平らになるまで削ります。粉が大量に出て大変ですが、確実に平らにすることができます。机の表面はい ろんな色のパテを使ったので汚く見えますが、手で触ると平らになっていることがわかります。平らになるまでは、パテ埋めとベルトサンダーがけを何度でも繰 りかえします。ベルトサンダーを使えば作業台表面の釘までも平らに削ることが可能です。
こうして平らにした机の上をきれいにぞうきんで拭き取ってから、学校で余っていたベージュ系の白のペンキを塗りました。乾いては塗りを繰り返して、ローラーとハケで3~4回塗っておきました。
これでもう大丈夫、そう思っていたんですが・・・1学期間使ってみて愕然としました。机の内側の隙間に紙が入ってしまったり、ネジや釘が入り込んでし まったりするばかりでなく、実習や実験でかなり机が汚れるのです、しまいにはペンキがはげはじめました。たった1学期間なのにです。もう一度ペンキを塗れ ばいいのかもしれませんが、何か釈然としません。
← 1学期間の授業で傷ついた机の表面
本来作業台とはこういうものなのかもしれませんが、もう少しなんとかならないものかと思い、並木会でいつもおじゃましているつくば市立並木中の吉田吉見先生にならって、机にカバーをつけることにしました。
使ったのは、ホームセンターに売っていたベージュ色に塗装済みのコンパネです。1枚1500円程度です。しかし、作業台の上にのせてみたら、微妙 に机より小さいのには参りました。仕方ないのでコンパネの横に丸鋸盤で引いたコンパネと同じ厚さの板材を釘で打ち付けて広くした後で、周囲から写真のよう な2cm×6cm程度の角材(180cmの長さで150円でした。)を打ち付けました。
これで、本格的な作業が必要な時と、軽作業の場合とで作業台を2WAYに使うことができるようになりました。このカバーは木工室の作業台に今はついていますが、はずして金工室の作業台につけることもできます。授業に応じて移動させて使いたいと考えています。
数台にとりつけて何回か授業で使ってみたのですが、生徒の反応も上々です。なにより机の上にゴミがあれば生徒自らきれいに片づけようと思うようです。つ いでに今回から作業台ごとに、ちりとりと小さなホウキを常備しました。ボコボコでメモもとれないような机だった頃には、いたずらや落書きが絶えず大変困っ ていたのですが、作業台の上がきれいになるだけで、こうも違うものかと自分自身驚いています。
さらに、パテ埋めやベルトサンダーがけ、ペンキ塗りなどは、すべて木工室金工室掃除のみなさんに掃除の時間を利用して作業してもらいました。彼らも自分 たちが直したという実感を感じてくれているようです。実はまだ金工室の作業台のペンキ塗りが残っています。掃除当番のみなさんにはこれからも活躍してもら うことになりそうです。
ボコボコの作業台でお悩みの全国の技術科教師のみなさん。作業台きれいにしてみませんか。
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