最終更新日 2001/04/23


木工入門には 2×4(ツーバイフォー)材が良い  

木工と一口に言っても実に多様な内容を含んでいるので、限定して考えてみます。私は、中学生が最初に作る木工の作品は、2×4材を電動ドリルを使って、木ネジ(コーススレッド)で固定する方法が適していると考えています。その理由を以下に述べます。
本工の教材カタログに載っている作品は、12ミリ前後の厚さの板を接着剤と釘で固定して、本箱やCDケース等を作るものが多い。こうした作品を初心者が作る上で失敗しやすい点(挫折感を味わう点)や、十分な達成感を得にくい点は次のようなことでしょう。


  板材からバーツを切り出せない。 板材を固定できない。切れ味の良いノコが十分用意できない。
    初心者が30センチの長さを正確に切るのは難しい。 
  釘を打つ時に板が割れやすい。釘が飛び出してしまう。 
  組み立てた時にゆがみが出る。パーツの寸法精度の悪さと組立時のずれからくるゆがみ。 
  きゃしゃで壊れやすい。
  本の存在感が乏しい。 
  板が薄いため(集成材の場合も多い)木の年輪、木目、節、小口、木端などから木全体の婆をとらえることができにくい。

 これに対して、2×4材の場合は、板厚が38ミリ、幅が88ミリ、長さ1800ミリの無垢材であるため、上記のことを克服しやすい。この材を縦に切ること ははとんどない。横切り(クロスカット〕が主なため、固定もしやすく、切断距離も短いので切りやすい。38ミリの厚さをがあるので、この切断面を直角に切 ることの大切さがわかる。板が薄いとこの点がつかみにくい。材の固さも適度で、切りごたえがある。板厚があるので、釘やネジを打っても飛び出さないし、割 れることがすくない。板厚のセンターに釘を打っことが簡単である。これだけの大きさを持つ無垢材であるため、木の存在感やぬくもりを容易に感じることができ、木の全体像もつかみやすい。(木の表情がよくわかる)できたものは頑丈なので、中学生がむかついてケリをいれても壊れない。規格寸法材なので、ゲージや治具が使いやすい。塗装のしかたで、室内用にも屋外用にもなるので、工作の幅が広がる・・・・・・
 私は以上のことから、2×4材を使った工作が入門用に適しているという結論に達しました。(安いということも重要な要素です。2×4材は1本235円)

2×4の作品集
  

 

 

  
 

 

 

 



  2×4材を使用した作品例が紹介されています。松下電工の電動工具のページです。
   http://www.mew.co.jp/myjoy/ 

  ページ紹介:長野県松川町立松川中学校 大石圭吾


投稿者  川上 泉  (埼玉県)
最終更新日 ( 2010/11/27 土曜日 12:02:19 JST )

 

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