2013/10/17


1.製作の動機
 製図の指導に場面において、古くは斜眼黒板が用いられ、最近では書画カメラを活用している学校が増えてきた。いずれも,必要な線をどんどん上書きしていく。そのため,生徒との作業進度にずれが生じた場合,部分的に線を消去したり、作業速度の遅い子に授業の速さを合わせなければいけない。完成間近であれば線の消し方一つで,生徒が困惑することさえある。そこで、従来の指導方法を補完する意味で,「線を引く」という一連の工程をプレゼンテーションソフトのアニメーション機能を用いて表現した。

2.特徴
 Microsoft社製のPowerPoint2003を利用した。特に用いたコマンドは「アニメーションの設定」→「アニメーションの軌跡」→「軌跡を描く」→「直線」である。また,三角定規などはオートシェイプ機能で作成した。新しく描画する線は「赤色」,既存の線は「黒色」としているため,生徒はどの線を描画すればよいかはっきりと認識できる。次のスライドにいけば,先ほど描画した線は黒色になっている。この点は,チョークではまねのしづらいことである。

3.本作品の種類
 「①等角図→キャビネット図」「②キャビネット図→等角図」「③等角図→第三角法による正投影図」「④円柱を等角図で表現する」の4部作品となっている。④に関しては,中学生には高度かもしれないが,この作品と実技指導で理解させることは十分に可能である。

5.終わりに
 「まっすぐな線を引けない生徒はのこぎり挽きでもまっすぐにならない」「きちんとした立体を描画できない生徒はゆがんだ本棚しか作れない」と生徒には最初に強い口調で指導している。動機にも記述したが,本作品はあくまでも補完的な教具として利用している。私自身,まずは書画カメラで生徒が使用している紙と同じものに描画し,その様子をテレビに映し出している。その後,適宜このソフトを活用している。このソフトを開発する前は,クロッキーブックにパラパラ漫画のような教具を用意して指導したこともあったが,「動き」がなかった。技術科特有の三角定規が動く様子や線が下から上へ描画される様子などはアニメーション機能を用いることで抜群の教育効果が期待できる。パソコン室で授業を行えば、生徒は自分のペースでアニメーションを再生、巻き戻しができる。

 
 図1 キャビネット図における     図2 等角図における三角定規 
 三角定規の移動の仕方      のアニメーション 

 
 図3 第三角法における三角定規の配置   図4 円柱の描画

      ●スライドファイルはこちら


投稿:紺谷正樹(北海道)

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