先日、京都技術サークルで教えていただいた「花紋折り」を使って、フルカラーLEDマーカーを作ってみました。

「花紋折り」は、折り紙作家内山光弘(1878~1967)が考案した折り紙であり、「日本の伝統的形態を顕していると同時に、大変モダーンで新鮮な姿を表現」(柳宗理)したもので、数学的な規則性にもとづいて作られています。詳しく知りたい方は、文末の書籍(1)をごらんください。

京都サークルでは、関数表示ソフトGRAPESを使って作られた花紋折りの図面を元に作成しました。作成した花紋折りを窓辺にかざって置いておいたところ、朝日が紙を透過して美しかったので、LEDを中に仕込んでみようと考えました。

私の製作した図を以下に示しますので、参考にしてください。

(1)花紋折り(正12角形立体花紋折り)
文末の書籍(2)に掲載されています(そのまま折ることができる型紙がついています)。
私は、製本用の表紙の紙を使いました。ある程度厚めの紙(色画用紙以上)の方がよい。色は白またはクリーム色が色をよく反映しきれいです。
自分で用意した紙で製作したい方は、私が作成した「花子」のデータがありますので、お問い合わせ下さい。

(2)土台の製作
土台となる木材を加工します。私は90×90×30の木材を加工しました。ノミのよい練習になります。
裏側に、電池ボックスとスイッチ回路が入るスペースを作ります。
図1 土台の加工図

 図2 加工の様子

(3)センサー回路の製作
暗くなると点灯するセンサー回路を作ります。回路図、実態図を示します。
使用したLEDは、イルミネーション・フルカラーLEDという名前で売られているもので、LEDの中にマイコンが入っていて勝手にフルカラーに発色してくれるというスグレもので、OSTB5131A-ID(電圧:3.8~5V、電流:20mA、直径:5mm)という製品です。電圧は3.8Vからとありますが、3Vでも十分発光します。私は「秋月電子通商」の通信販売で入手(http://akizukidenshi.com) 1本50円(2014.4.11現在)
CdSは5mm径のものを購入しました。

図3 回路図  図4 実態配線図

立体花紋折りの底に穴をあけ、LEDを通します。花紋折りと土台はボンド等で接着・固定します。
CdSも穴に通し、CdSは土台に接着します。
製作した回路を土台に埋め込みます。配線がショートしないように気をつけてください(ビニールチューブや紙を巻くなどします)。
状況に応じて、土台を削り直すなどして収めて下さい。ホットボンドなどで何ヶ所か固定するとよいと思います。
図5 土台に収める

(4)電池をつなぐとLEDが点灯します。点灯しない場合は、配線を確認してください。ミスがなければ、半固定ボリュームを回すと点灯すると思います。
ボリュームを調整して、明るいところでは点灯しない、CdSを指などで覆うと点灯するようにしてください。
図6 完成

【参考図書】
(1)『花紋折り~内山光弘の世界』(民藝叢書第3巻)柳宗理 監修・編集、芸艸堂、1988.7、3800円+税
絶版のため、古書店等で購入するしかない

(2)『ふしぎな球体・立体折り紙』三谷純著、二見書房、2009.11、1500円+税


投稿者:おぎのかずとし(大阪工業大学)

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