投稿日:2004/8/31


 管路を流れている流体は、分子が規則正しく一定の層をなして流れている層流と無数の不規則な渦をともなっている乱流が あります。イギリスの数学者・物理学者であったレイノルズは1883年にこのような実験装置を作成して、層流と乱流を定量的に表すことに成功しました。こ の実験装置は水槽に水を入れて、右下にある流量計を通して、水を流します。左上からは赤いインクが流れて、水槽内の管路内の流れを観察することがでできま す。実験結果はレイノルズ数Reという値で表し、Re=ρvd/μです。ここで、ρは流体の密度、vは管路の流速、dは管の直径、μは流体の粘度を表します。実験では写真の黄色い管の部分にある弁を開閉しながら、流量を調整することにより、流速vを変化させながら、層流から乱流への変わり目(これを臨界レイノルズ数と いう)、また乱流から層流への変わり目を求めます。臨界レイノルズ数は約2320になることが知られていますが、層流か乱流かは人間の観察によるため、実 験ではなかなか一致させることが難しく、実際は2000~3000くらいの値になります。これでも実験装置には教材屋さんの長年のノウハウが詰まってお り、自作しても、なかなかよい値を出すのは難しいようです。何とか写真におさめることができたので、次に層流と乱流の写真を紹介します。赤インクは左から 右へ流れています。
 層流と乱流があることを知ることは流体力学の初めの一歩です。機械工学はもちろん、気象学や水理学(土木系)、また生体力学(血液の流れなど)で幅広く用いられているので、一度実験をしてみるとよいと思います。
層流
乱流
 

投稿者:門田和雄(東京都)

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