ゼムクリップから世界が見える-アイデアが形になるまで-
ヘンリー・ペトロスキー 朝日出版社

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 ペーパークリップという極単純な文具にも先人達の様々な開発の歴史がある。19世紀後半に登場したというペーパークリップには何百件もの特許が有り,その挑戦が今も続いているという。シンプルさゆえに,逆にその奥深さに驚くことだろう。こうした事例が,鉛筆,ジッパー,アルミニウム缶,ファクシミリetcと紹介されていく。一冊読むと,かなりのウンチクを語れるようになるだろう。そうして,こうした日常にあるもののアイデアや技術的背景を解説していくことで,タイトルにあるように”技術の世界”が見えてくる。
前書きには,以下のようにも書かれている。
 「(中略)しかし,工学とはどんなもので,その根本は何なのか,そしrて技術者は工学をどのように実践するのか?また科学技術とはどんなもので,その根本は何なのか,そして科学技術はほかの経験とどんな関係があるのか?本書では,こうした疑問を探求する。」
 関連特許についての図も多数掲載されており,技術の学習や知的財産の学習の導入等でも活用できるのではないだろうか。


村松浩幸(信州大)

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