更新日:2000年12月29日


私が中学生の頃に、ある雑誌でカセットケースクラフトという特集があったのを思い出します。カセットケースはただ同然で手に入りますが、電源装置 など基盤のもう少し大きいものになると、適当なケースがなかなかなくしかも高価でした。しかし、今は違います。いろんな大きさのケースが売られています。 しかも100円で! いわゆる100円ショップには様々な大きさのケースが並べられています。今回5Vのスイッチング電源の基盤を収めるためのほどよい ケースを見つけました。

 

 このプラスチックケースは、はがきを入れるためのものです。そのため内寸が100mm×150mm×40mmほどあります。別の資本の100円ショップにもありました。メジャーな製品のようです。

 電源装置の場合、AC100Vを使用するために万が一でも感電しないような工夫が必要です。また、発熱するのであまり詰め込みすぎてもいけませ ん。そこで、下の写真のようにマウントしてみました。100mm×300mm×0.5mmのアルミ板(170円でした。)を買ってきて、金切りばさみで ちょうど半分に切断します。するとこのケースの底にぴったりと収まります。そのアルミ板に電源装置の基盤とヒューズの基盤を固定する20mm程度のナベね じを取り付けてナットで締めます。その上に本来ならスペーサーなのですが、買っている余裕はないので、生徒達に廃品からとってもらったナットを3重に使っ てみました。

  

 これを、100円ケースに入れるだけでは、ガタガタと動いてしまうので、動かないように木工室にあったボンドを流し込んでみました。

 

 こんな感じで固定しました。これまで私は、外のケースに大変な思いをして穴をあけて基盤を固定してきたのですが、この方法ならすごく安全確実です。AC100Vを扱っても、外部にAC100Vがでるようなこともありません。
 もちろん端子の部分などはプラスチックケースに穴をあけました。ハンダゴテでズボッと、その後リーマーで地道に、時にはボール盤を使って・・・。


その他の工夫点をズームアップ

 

 ここから5Vの電圧が出力されます。わかりやすくするためにLEDをつけてみました。510Ωの抵抗とLEDを5Vの電源にケースの中でつなげておくだけ、これだけでON/OFF確認回路のできあがりです。

 基盤上の1次側(AC100側)にすでに3Aのヒューズがついているのですが、安心のために2次側(5V側)にもヒューズを取り付けました。とり あえず1Aのものをつけましたが、これは用途によって変更したほうがよいでしょう。ちなみにこの電源は、5V5Aの性能があります。

 

 ちょっと心配なのはこの部分・・・。本来ならコネクターが必要なのですが、強引にハンダづけしています。他の回路に接触することがないように、とれることがないようにしっかりと取り付けます。


スイッチング電源の使い道

 ただAC100Vから、DC5V程度をえるだけならば、いわゆるACアダプターでも十分です。しかし、もっと安定的に電源を供給する必要がある電 子部品があります。いわゆるICやLSIです。普段使っているパソコン、テレビ、ビデオなどなどいわゆる電子機器には、必ずこのスイッチング電源が内蔵さ れています。

 

 写真は、パソコンの電源装置と、分解中のラジカセの電源装置です。

 本来はLSIやICなどの実習に使えばいいのですが、このスイッチング電源をロボコンのモータ駆動用の電源として使いたいと考えています。ちょっ と電圧が耐圧を越えているので、間にダイオードなどをかませて電圧降下させようと考えています。そちらもまた報告しますのでお楽しみに。

 ←これが完成品です。


投稿者:川俣 純(茨城県)

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